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2013/12/15

お布団にいたい季節に本を探すということ




「むむ……」


ここは都内の某書店の文庫本コーナー。
色とりどりの背表紙が並ぶその本棚の前で、ある少女が唸っていた。


「ひーん」


そう。あまよちゃんである。
あまよちゃんはかれこれ一時間はその本棚の前を行ったり来たりしていた。
その右手にスマホはない。充電は既に切れてしまった。ツイッターに逃げ込むこともできないあまよちゃんは無力であった。

さて、何故あまよちゃんはスマホの充電が切れているのにも関わらず家に帰らずに本棚の前で唸っているのか。
ここは本屋。勿論、探している本があるのだ。
だが、その本が見つからない――いや、正しく言うならば、探す本が思いつかないのだ。

 
―――――――――― 


今は12月某日。世間はすっかりクリスマスムードであり、また、忘年会シーズンでもある。
あまよちゃんはバイトをさぼり(あまよちゃんは普段はバイトをさぼらない。念のため)、所属する某大学某研究会の忘年会への参加を決めていた。

その忘年会にはいつから始まったのかは知らないが、ある風習があった。

各会員は新品の文庫本一冊を持ち寄り、音楽に合わせてそれを輪になった会員で回していく。
その本にはカバーをかけるので、交換が終わるまで中身が他の会員に知られることはない。
音楽が止まったときに持っていた本が自分のものになる。
本には元の持ち主がメッセージを書いておくので、最後に誰から贈られたものなのかがわかる。→やっぴ~!

というものである。


さきほどからあまよちゃんが探している本というのはその”プレゼント交換用の”本なのだった。


――――――――――


交換用の本に関しての決まりはない。文庫本ならばジャンルはなんでもいいのだ。
だから好きな本にすればいいのだが――と考えたところで、あまよちゃんは頭を抱える。

好きな本。――好きな作家。

ニッシオイシン。
モリミトミヒコ。

まず思いつくのはこの二人。


「……さすがに怒られる」


あまよちゃんのニッシオイシン好きは有名である(と、本人は思っている)。
あんまり言いすぎて、会員からは煙たがられているほどだ。また、ニッシオイシン読書会を二回開催してしまったので、そこで好きな本はあらかた紹介してしまった。

では、モリミトミヒコはどうか。
こちらは激キュートな小説であるし、会員受けも悪くはないだろう。
だが、去年の忘年会で『ペンギン・ハイウェイ』を交換に回してしまった。二年連続は気が引ける。

さて困った。
好きな作家が二名しか挙げられないあまよちゃんの脳も困ったものだが、今は目の前にある問題を解決するのが先である。

今年読んだ本……ううん、人に薦めたくなるほどの本は読まなかった気がする。あっても読書会で扱った本だ。それはダメだと思う。
では、大学の講義で扱った本……谷崎とか、乱歩とか。うーん、有名どころはだれかが持ってくると思う……。


「フーッ、フーッ」


何故か息を切らしながら目の前の本棚を見回した。
『イニシエーション・ラヴ』。駄目だ。殺される。『クリスマス・テロル』…………。


「あっ」


あまよちゃんはある本を見つけ、それに手を伸ばした。
これは――――――!



結局交換用の本は見つかりませんでした(おわり)。
代わりにある本を見つけたので買いました。


[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)
(2009/12/16)
野崎 まど

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『[映]アムリタ』です。やったぜ。
交換用の本どうしよう。ご意見をお待ちしています。

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日記 | Comments(2) | Trackback(0)
Comment
No title
交換用の本、森見さんなら、『恋文の技術』なんかどうでしょうかね。うまいことネタになりそうですし(ケンカ売ってんのかとか言われても悪しからず)

No title
恋文、いいですよね。好きです。文庫化も最近ですし、持ってる人少なそうですし。
そうですね、題材が題材なのでひと悶着あるかもですw

今のところ森見で行くか全然違う作家のにするかで迷ってます。
ありがとうございます!

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