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2013/12/21

『[映]アムリタ/野崎まど』 感想


[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)
(2009/12/16)
野崎 まど

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「私の事を愛していますか?」


映画をつくる大学生の話。
ネタバレをします。続きからどうぞ。

これほどネタバレ禁止な作品をあまり見たことがありません。
ネタバレ禁止ということすらネタバレ禁止な作品でした。

ウッ、記憶を消してただの青春ミステリだと思って読みたい……



さてさて。

イチャイチャイチャイチャイチャイチャと、インドの南方で愛飲されている飲み物のような掛け合いが続く映画作成のパートも、登場人物のアクの強さに胸焼けを感じながらも楽しく読むことができました。こんな素敵な大学生活を私は知らないけれどきっと世の映画サークルはこうなのでしょう。うん。


ですが、このライトノベル的パートが後半の急展開からの盤面ひっくり返しへの下準備になっていたのですね…ウッ


各方面から腹パンを食らいそうなのでよくわからない用語は使いたくないところですが、ミステリ的に考えるとこの作品は「最原最早はなぜ『アムリタ』を作ろうとしたか?(作ったのか?)」という動機が問題になっているものと思われます。


「Ⅴ.試写-Ⅱ」で、探偵役の二見遭一は最原最早の動機を一旦示します。



「『アムリタ』は、見た人を定本由来にする映画ですね」
「そうです」



ここらへんの、最原の行動の理由を一個一個明かしていく会話ではものすごく興奮しました。
二見くんかっこいい!です。
そのあとの朝チュンエンドにまで持ち込んでいく流れも青春小説として非常に良いです。イチャイチャ。裸エプロン。


ですが。
この作品の凄さはこんなものではありません。むしろここからでした。


「Ⅵ.スタッフロール」での最原最早による「二見遭一」殺しの告白。


探偵役は、物語が始まる前に既に殺されていました。
「Ⅴ」での二見の推理も、全ては最原によって偽の証拠を掴まされ操られたものでした。


……この展開自体はまだいいのです。
ネタバレはされていなかったのですが、評判を聞いてから読み始めたので(「オラッ、どんでん返し来るなら来い!」みたいなスタンスで読んでいました)、この展開、「二見殺し」自体は驚きはしたものの「こう来たか~」となりました。

ですが問題は、「二見殺し」、また「『アムリタ』製作」の本当の動機についてです。


「それです」
最原さんは言った。
「最後にそれが見たかったんです。二見さんのその表情。二見さんが命をかけて愛した相手に、実は二見さんが殺されていたと知ったときの表情」



ひょ、ひょえええええええ。
狂気です。一見すると激ヤバな理由です。「最高の映画を撮るために、誰かの命を犠牲にしなきゃならないとしたら、どうするか」そんな会話を思い出します。ヤバい。


ですが、その理由、動機に納得してしまうのです。


最原最早は”天才”だから。


これもまた一見すると無理やりな納得の仕方かもしれません。
ですが、「最原最早は天才だ」ということは物語の随所で示されていました。
能力的な面もそうですが、考え方の面でも。
それは探偵役を操っていたという事実からも分かります。
最原最早という天才の考えは、天才でない人間からは分からない、のかもしれません。

だから、狂人の論理というか、天才の論理というか、そんなものを感じます。
論理のある狂気。

まぁ、これも「死なない生徒殺人事件」を読んでから考えたことなのでまた他の作品を読むうちに変わるかもしれませんが……。
とにかくですね、最原さんと二見くんがどうなるのか知るために、天才とはなにかを知るために他の野崎まど作品も読んでいこうと思います!!!!!(締めが強引)


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野崎まど | Comments(0) | Trackback(0)
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